MENU

“ムック” VS “MUCC”

 何やらとんでもなく絶望的な曲を歌うバンドがあるらしいと聞いたのは朽木の灯が発売された少し後、ライヴ・アット・六本木がメジャーリリースされた直後でした。食らいつかない理由がありません。ライブアルバムが好きなので六本木の方を買いました。厨二病寸前(遺書なんか、もう笑ってネタにするしかありませんでした)の絶望一色の歌詞を前にたいへん満足し……という訳にはいきませんでした。幻灯讃歌あたりから妙な気配になってきたのです。「立ち上がれ」とか何言ってんですかこのヒト達は。絶望がウリじゃなかったんですか。何コロんでるんですか。その後も希望的前向きな曲が続いたので、当時の MP3 プレイヤーには途中をバッサリ切って入れ、2.07 から名も無き夢までは入っていません。

 コロんだムックの如きには興味ナシ、それよりこのライブアルバムを聴くべきである、と考えた私は 10 年以上ムックを無視します。過去作も流し聴きしてみたのですが、朽木の灯のライブ盤があまりにイっちゃってたので(改めて聴いてみたのですが、ライブ盤であることもあり、過去作とは違う領域に突入してますよね、コレ)、是空などは「Korn のパクり、以上」とか簡単にメモして HDD の奥底にしまい込み、数度の HDD リプレースでどこかへ行ってしまいました。

 で、まあムックはコロんだと思い込んでいたのですが、どこかのサイトにムックのインタビューが掲載されていたのを読んだところ、どうも自分は間違えていたらしい、という事に気付きました。ヴィジュアル系仲間の Dir en grey なんかはバンドのコンセプトが明確で、まあ早い話が「とにかくネガティブなこと歌おう」みたいな感じでして、ムックもバンドコンセプトが「とにかくネガティブなことを歌おう」だと思っていたのですが、違ったと。詳しい内容は覚えていないのですが、印象としては「なーんだ、ムックってメンバーの私小説的なものか」と納得しました。

 そうである以上、ムックが前向きな曲を歌い出したのは至極当然自然な流れでして、それをコロんだだのヌルいだのメジャーになって癒されてんじゃねーよクズだのといった批判の一切はナンセンスとなります。私もまったくもってナンセンスな評価を勝手に下して無視かっくれやがったもんです。こういった誤解をおそれるミュージシャンは、全てのリリースアイテムに自らライナーノーツを書くべきだと考えます。正規品を買ったら意図が分かるので、見当違いに明後日の方向を向いたディスが飛んで来なくなります。

 話が逸れました。今年も後半になって、2017 年にムックが痛絶と葬ラ嘔を新録で出していたという情報が入ってきました。改めて新葬ラ嘔を聴いてみると、全曲後ろ向きで最高でした。慌てて新品で CD を買い、勢いで中古の是空と朽木の灯も買い、現在は葬ラ嘔の消化で手一杯といった有様です。この後に新痛絶と是空が待っていると思うとしばらくムック漬けになりそうな予感もいたします。朽木の灯は……まあ、改めて聴く必要もないでしょう。通勤中に何度も聴きましたし。鵬翼以降、ムックが MUCC 表記になって色々とアプローチを変えて攻めてきているという噂も耳にしますが、私小説的 MUCC を楽しめるようになるまでは、もう少し時間がかかりそうです。

  • URLをコピーしました!
目次