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Switch / グノーシア

 一人人狼ゲーム + RPG + アドベンチャー。という触れ込み。解体してみましょう。

 人狼ゲームは数多くのバリエーションがあるが、本作は比較的オーソドックスなルールに基づいている(らしい)。対人人狼ゲームは言葉の端々を捉えて互いに腹の探り合いをしつつ吊していくゲームだが、本作では「具体的な発言」を行う必要はない。つまり発言する「文章」を自分で組み立てる必要がない。全ては「疑う」「かばう」等のコマンドで進行し、それに対するキャラクターの反応(台詞)もテンプレートで決まっている。じゃあNPCはどこで考えているのかと言うと、「カリスマ」「ロジック」等のパラメータとキャラクターの性格、友好度、マスクデータとして信頼度などもあるらしい。主人公の配役、参加人数、狼の数、役職の有無はゲーム毎に任意に決める事ができるが、どのNPCが登場し、どの役職に割り当てられるかはランダム(まあ当然である)。こうしたシステムについて、人狼ゲーム素人の私はどうにも評価できない。出来が良いという意見を多く見る。

 1日5ターン(5発言)で進行するので1ゲームのペースは早く、少人数なら数分、最大15人で熟考しても30分くらいあればカタがつく。1ゲームを終えると経験値を得ることができ、各種ステータスを上げる事ができる。これがRPGの部分。ちなみに負けても経験値はもらえる。勝つともっと経験値がもらえる。

 こうやってひたすら人狼ゲームをやる訳だが、これではプレイヤーのモチベーションが続かない。よってストーリーを用意してプレイヤーのモチベーションを維持させようとしている。……のだが、中盤まではダルいし、後半になって盛り上がってきたと思ったら後述する問題が頭をもたげて来る。ぶっちゃけアドベンチャーと言うよりはRPGの範疇で語るべき部分と考える。RPGだって戦闘を繰り返してレベルを上げてストーリーの続きを楽しむでしょ。

 本作最大の問題点というのは、人狼ゲームというロジカルなゲームを、プレイヤーとして、そもそも楽しめるかどうかという点にかかっている。各NPCが出したコマンドを読み返しながら矛盾点を探り、発言しまくって目立つと狼に食われ、黙っていると吊るされてしまう。NPCの論理的破綻を読み切れないプレーヤー(例えば私)はひたすら周囲の流れに乗って進めていく事しかできず、その場を誘導していくという楽しみ方ができないので、非常にストレスの溜まるゲームとなる。主人公のレベルを上げていくと必然的に各NPCの「特記事項」が埋まっていくのだが、これがひとつ埋まるとそのNPCの能力が強化されるという仕組み。強化された能力とコマンドで、いよいよ場に流されるしかなくなってしまう。

 さて、ゲーム後半になって盛り上がってくるストーリー展開だが、続きが気になるという意味でモチベーションを維持する効果は果たしている。ところが各キャラクターの特記事項は特定の条件を満たさないと埋まらず、イベントサーチによる補助はあっても必ずしも絶対でなく、NPCの配役はランダムであり、そもそもイベントが発生するか否かもランダムのようなので、「話の続きが気になる」→「捨てゲー」→「捨てゲー」→「捨てゲー」→「捨てゲー」→「捨てゲー」→「捨てゲー」→「捨てゲー」の負のスパイラルが発生する。上述したように人狼ゲームをプレイヤーとして楽しめるなら問題はないが、苦手とするプレイヤーは次のイベントが発生するまでの間に心が折れる。

 人狼ゲームのような論理ゲームが好きなプレイヤーにとっては非常に出来のいいゲームかも知れないが、論理ゲームが苦手な人は終盤で猛烈なストレスがかかり、挫折してしまう可能性がある事を念頭に置いてゲームを購入するか否かを決めるといい。人狼ゲームを知らなくても遊べるようにチュートリアルの工夫が見られるが、そもそも貴方が人狼ゲームに向いているかどうかまでは、チュートリアルでは教えてくれない。そして払った金は戻って来ない。

Rating : (特記事項3つ埋まらない)+(心が折れた) = 6.5 / 10

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