もともと Dir に興味を持ったのはメジャー 1st あたりで、インディー時代の黒夢の後継者という感じだったと思います。そこから断続的に記憶が途切れてはおりますが、「おやおや?」と思ったのは Vulgar を聴いた時でした ( 思わず CD を買いにディスクユニオンへ行ったのを覚えています。蛇足になりますが、3000 円以上出して CD を買ったのは数年ぶりでした。輸入 CD 安いんだもん )。
バンド名表記について小文字を入れる事にこだわっていた時期の Dir をヴィジュアル時代、大文字になってからの Dir を脱ヴィジュアル時代と好き勝手し放題に定義させていただくとして、小文字 Dir 時代で 1 枚選べと言われれば鬼葬となります。歌詞がエログロ満載だからです。いいですよね、エログロ。
その後しばらく Dir から遠ざかり、アルバム 2 枚くらい飛ばして Uroboros を聴いたら、いきなり 9 分の曲が来て、しかもマジモンのデス声を使っていました。一人で喝采しました。この手のヴィジュアル系がギャーギャー叫ぶのは勝手ですが、やるならデス声くらい出せよコラー、Six Ugly の秒「」針じゃヌルいんだよテメー、とか思っていたからです。という訳で Uroboros は Vinushka しか聴いていません。それ以外はいらないんです。カラオケで歌って爆笑されるかドン引きされるかできるのは Vinushka 以外にあり得ません ( その前は鬼葬に入っていた鴉でした )。
Vinushka に満足してしまった私はまたしても数枚のアルバムをスルーします。で、最近になって 1st アルバムに収録されていた残が再録されてシングルの B 面曲として出ていると知りました。最近の事なのに時系列的にあやふやなのはいいかげん歳の所為にするとして、まあ「残 -ZAN-」が「残」になっていると。Youtube に腐るほどアップロードされている音源を聴いてみたらデス声に磨きがかかっていて、これはですね、ゲンブツを持っていてもいいだろうと。Bandcamp の登場でようやくデジタル音源の販売網が整備されてきて、これに Apple Music が加わることで最近ほとんどCDを買ってないんですが、これはゲンブツが欲しいと。中古を買ったら A 面曲の激しさと ( 以下略 ) もボエボエギャーギャーピーピー言ってて素晴らしく、どれアルバムも 1 枚買ってやろうかと ( Youtube で事前リサーチした上で ) Dum Spiro Spero のゲンブツを中古で買いました。イントロの次の長いドゥーム曲、いいですよね。そこから例によってボーカルがボエボエギャーギャーピーピーとやりたい放題です。
さて、Dir がデス声を出すようになって七変化の声を縦横無尽にカマしまくるようになり、慌てなければならない所があります。デス声の聖地たるデスメタル界隈、ブラックメタル界隈、エクストリームメタルだかハードコアだか何だか知りませんが、まあそっち系です。オメーらいつまで一本調子でデス声出してんだ、ちったぁ京さん見習えよって感じで己の表現を貫くアンダーグラウンド勢を横目で見ていました。私はアンテナが低いので、Dir のようにイケイケでイキまくりのボーカルを擁するアンダーグラウンド本場勢を知りません。Swarrrm の偽救世主共なんかが近いんですが、あれも持ち声ふたつだけだし、ボーカル変わっちゃったし。何か知っていたら教えて下さい。
何を書きたいのかよく分からなくなって来ましたが、Dir はアンダーグラウンドからデス声をパクってきた訳でして、今度はアンダーグラウンドがパクる番でしょうが。そして Dum SS を出した Dir の行き着く先はもう決まっています。アンダーグラウンド勢からも一目置かれる発狂ボーカルを擁するバンド、アンダーグラウンド勢のボーカリスト達に最も影響を与えたヴィジュアル系バンド、つーかこのまんまイキまくりにイキまくって「テメーはヴィジュアル系のマスコアかテクニカルデスか、はたまたフランス系のド腐れブラックメタルにすり寄ったか、ああーん?」とか言われるような存在になるしかありません。
……と思っていたら、Dum SS の次回作である Arche ではストレートな曲調になって、歌モノがメインになっていました。風の便りに聞くと、これを書いている 2019 年に出した新譜もストレートな路線らしく、まあ確かに Dum SS みたいなのばっか書いてたら疲れるし、曲覚えるのも大変ですし、やっぱそこはプロ並みにリソース割ける所じゃなきゃ難しいだろうなー、と。……Dir さん、アナタ達プロなんだからヤっちゃっていいのよ?
結論といたしましては、小文字 Dir は鬼葬が歌詞がエログロなので一番よく、大文字 DIR は Dum Spiro Spero がボエボエウゴウゴギャーギャーピーピーしていて一番よい、という事になります。Dir はこの 2 枚を押さえておけばイイというのが現時点における私の考えです。音楽活動も長く続くとかならず「迷走」「ご乱心」といった時期が訪れるものでして、わたくしといたしましては、現在のストレート時代が「迷走」「ご乱心」時代であると願う者でございます。10年後のインタビューとかで Dum SS を指して「あれは迷走していた」「ちょっと乱心していた」とか言われたら悲しみます。
はあ、音楽性ですか。何ですかその単語。分かりません、教えて下さい。